2015.04.01(水)

レポート

【JPニュースレター】在宅医療集合研修レポート

在宅医療に対応できる薬剤師の養成へ
日本調剤 2014年度在宅医療集合研修レポート
 
 
超高齢社会を背景に、急速にニーズの高まる在宅医療において、調剤薬局、薬剤師の活躍が期待される中、全都道府県で調剤薬局を展開している日本調剤株式会社(本社:東京都千代田区、代表者:取締役社長 三津原博)は、無菌調剤室の設置や在宅医療専任チームの立ち上げなど、本格的な在宅医療への取り組みを2011年に開始し、現在は全店舗での在宅医療の実践に向けて取り組んでいます。

在宅医療への取り組みの一つとして、在宅医療に関する薬剤師の知識・スキル面でのサポートのため、2013年度より本社での在宅医療集合研修を開始し、2014年度からはさらに規模を拡大して全国13ヵ所にて計15回の研修を開催しました。


2014年度の在宅医療研修は、「経腸栄養」をテーマに行われました。在宅医療では、薬剤師が薬そのものに関する情報を提供することはもちろんのこと、薬を服用する患者さまや服薬に関わる介護者のサポートを、よりきめ細やかに行っていくための知識・スキルが求められます。また、多職種連携の中で、患者さまの治療効果およびQOL向上にあたるべく、薬剤師ならではの視点を養うことも肝要であることから、今回のテーマが選ばれました。




研修にあたっては、参加者を対象に、事前および事後の2回にわたりアンケート調査を実施しました。


<事前アンケート結果より>
・在宅医療に関する知識をどこで得ているか、という問いについては、「社内資料」が最も多い(図1)



日本調剤ではこれまでも社内のイントラネット等を通じて、在宅医療に関する様々な情報発信とコミュニケーションの機会を設けてまいりました。薬剤師が在宅医療に携わるにあたって必要となる知識やスキルをまとまって学ぶ場は限られており、77%がこうした「社内資料」より知識を得ていると回答しています。当社薬剤師からは、「在宅医療に関わることには不安を感じる面もあるが、ビデオライブラリなどで基礎から勉強できる機会があってとても良い」と、社内資料の充実を実感する声がありました。一方で、「在宅医療に携わった経験がまだないため、学ぶべきことの具体的なイメージが湧きづらい」という意見もありました。


<事後アンケート結果より(有効回答数447)>
・在宅医療集合研修の「理解度」は95%で、「関心度」は78%(図2、図3、図4)






研修は、「講義」と「実習」の2パートから成り、事前アンケートの結果も踏まえ、特に「実習」部分に力点が置かれました。さらに、医療材料や衛生材料の展示コーナーを設けるなど、集合研修ならではの内容としました。「今までこうした器材に触れる機会がなかったが、実践形式でとても刺激を受けた」「実習を通じて、知識と理解を深めることができた」との感想が聞かれ、集合研修が知識を深める手助けとなったようです。


事後アンケートでは、在宅医療に関わっている薬剤師からは「実際に関わっている患者さまの状態についてより深く理解でき、実務に活きるスキルを学べた」、「患者さまやその介護者の方が日常的に行っていることを体験することで、その苦労をより一層感じることができた」という声が聞かれ、まだ在宅医療に携わる経験がない薬剤師からも「普段扱っている薬についても新たな視点から見直すことができ、より一層患者さまの生活に合った服薬指導ができそう」と前向きな意見が多く挙がりました。


こうした反響を受け、次年度の研修は「在宅中心静脈栄養」をテーマに、全国15ヵ所で計18回開催する予定です。研修を通じて、すでに在宅医療に関わっている薬剤師はさらなるスキルアップを図り、また在宅医療の経験がない薬剤師には新たな知識を獲得し、全国各地で、患者さまおよび患者さまを支える方たちに対して薬剤師として貢献していくことが期待されます。


日本調剤では、在宅医療への取り組みを進めると同時に、在宅医療に関わる薬剤師の育成とそのサポートを今後も積極的に行ってまいります。


以上
 



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