事例紹介

日本調剤の在宅医療「薬剤師訪問サービス」のご利用事例を紹介いたします。

ケース1:病気の「痛み」に向き合い、ご家族と共に自宅療養を選ぶ

Aさん(70代男性)は胃がんが全身転移した患者さま。ご本人とご家族の意思で、自宅療養なさることを選ばれました。がんによる痛みを和らげるため、医療用麻薬が処方されることとなりました。

おもに介護を担当されていた奥さまは、「麻薬なんて怖い、触りたくない」と感じ、その思いを薬剤師に伝えてくださいました。薬剤師からは、医療用麻薬の用法を説明し、正しく使用すれば危険なものではなく、Aさんがつらそうにされているときには安心して使っていただきたいとお話しました。それを受けて奥さまは、ご主人さまの様子をみながら薬を使用することができ、自宅でご家族の皆さまとの大事な時間を過ごすことができたとおっしゃってくださいました。


薬剤師より

薬剤師は、お薬に関する悩みや困りごとに向き合い、患者さまやご家族の負担を減らし、安心して療養生活を送っていただくことができるようにします。そのために、お薬の効き目や副作用、使用方法などをきちんと説明し、患者さまに安全にお薬をご使用いただくことができるようにします。

ケース2:一人暮らしで薬の管理が苦手…。「飲み忘れ」を患者さまと一緒に減らしていくサポート

Bさん(80代女性)は一人暮らし。介護サービス(入浴介助や買い物など)をご利用中。認知機能の低下があり、病院で受け取った処方箋を薬局に出すことを忘れたり、処方されたお薬を家できちんと服用できず飲み忘れてしまうことなどがありました。そのことでBさんの担当ケアマネージャーから薬局に相談があったことから、Bさんに薬剤師訪問サービスをご利用いただくことに。薬剤師はご自宅へ2週間に一度訪問。その際にはお薬カレンダーを1週間分セットし、いつどのお薬を飲むのか、わかりやすくします。薬剤師がセットして1週間経ったら、Bさんはご自身でもう1週間分のお薬をセットします。今では飲み忘れが少なくなり、頓服(とんぷく)※のお薬はご自身で管理していただくようになるなど、ご自身の「できること」が少しずつ増えてきています。また、お薬の副作用など心配なことが相談できて良かったともおっしゃってくださいました。


※毎日決められた時間に飲むわけではなく、症状が出たときだけ飲むこと

薬剤師より

患者さまの「できないこと」を全て代行するのではなく、「できること」を支援することが薬剤師の在宅医療における重要な役割です。飲み忘れを防ぐための「お薬カレンダー」へのお薬のセットも、患者さまがご自身でなさった方が、より日常生活で「お薬」に対しての意識が高まります。意識が高まれば、お薬をきちんと服用することができ、病気の症状の改善につながります。

ケース3:患者さまに最適なお薬を見極め、医師に処方内容の変更を提案

Cさん(70代男性)はパーキンソン病の患者さま。病院での入院治療からご自宅での在宅医療に移行するため、退院をきっかけに薬剤師訪問サービスをご利用いただくことになりました。退院時には、体が自分の意思とは関係なく動いてしまう症状※が出ていて、お薬を服用していましたが状況が変わらず、Cさんもご家族の方もお困りでした。症状を改善するためにはドーパミンの分泌量を調節する必要があると考えた薬剤師は、医師にお薬の処方内容の変更を提案し、お薬の飲み方を変えることになりました。1日の服用回数と1回に服用する量を変えたのです。すると症状が治まり、ご本人もご家族の皆さまも「ほっとした」とおっしゃってくださいました。このことをきっかけに、ほかに飲んでいるお薬や気になる症状に関してもご相談くださるようになりました。

※このような症状を「ジスキネジア」といい、体内の神経伝達物質「ドーパミン」の分泌量が多くなってしまうことで起こる。

薬剤師より

処方するお薬やその量を決めるのは医師ですが、薬剤師も患者さまの症状や生活状況などをみて、その方に合ったお薬の種類・用法・用量などを考えます。必要に応じてお薬の処方内容の変更を医師に提案することもあります。薬剤師が在宅医療に加わることで、患者さまの症状が病気によるものなのか、お薬の副作用によるものなのかを見極める目が増えます。


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●よくあるご質問

Q:薬剤師訪問サービスを利用したいのだけれど、どうすればいいの?

Q:どこの薬局でも、薬剤師訪問サービスは行っているの?

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