大切なエネルギー源「油」 上手に摂れていますか?【栄養だより2020年7月号】

栄養のはなし

アマニ油
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

油の成分と働き

油は栄養学的には「脂質」に当たり、エネルギー源となる「炭水化物」や「たんぱく質」とあわせて「エネルギー産生栄養素」と言います。私たちの生活には必要不可欠なもので、健康な体づくりのために重要な「必須脂肪酸」という栄養素も含まれています。植物油を毎日適量摂取することで、生活習慣病予防に加えて以下のような働きも期待されます。


 ●ホルモンや細胞膜、角膜の構成

 ●脂溶性ビタミンの吸収を促す

 ●皮下脂肪として内臓を保護

 ●体を冷えから守る


油の主成分である脂肪酸には、オメガ3・オメガ6・オメガ9などの種類があります。オメガ3とオメガ6は「必須脂肪酸」と呼ばれる体内で作ることができない栄養素なので、食べ物や植物油から補う必要があります。

脂肪酸の種類

オメガ3 (n-3系脂肪酸)

α-リノレン酸 … アマニ油などに含まれています

EPA・DHA  … 青魚などに含まれています


オメガ6 (n-6系脂肪酸)

リノール酸 … 大豆油などに含まれています

アラキドン酸 … 卵黄・豚レバーなどに含まれています


オメガ9 (n-9系脂肪酸)

オレイン酸 … オリーブ油などに含まれています


「見える油」と「見えない油」

パン

「見えない油」とは?

パン類・肉類・菓子類などの食品に含まれていて、食べるときに意識しづらい油のことです。この中には中性脂肪やコレステロールを増やすと言われる脂肪酸も多く含まれるので、摂り過ぎないように注意が必要です。
パンに塗られたバター

「見える油」とは?

オリーブ油・アマニ油・バター・マーガリンなどの料理に使用する油のことです。この中には必須脂肪酸やビタミンといった栄養素もたくさん含まれています。
日本人の「見える油」「見えない油」摂取割合円グラフ

日本人の脂肪摂取割合は約80%が「見えない油」からだと言われています。「見えない油」に気を付け、「見える油」を適量摂取するようにしましょう!



見える油の摂取目安量
小さじ5杯(20g)以内/日

油の摂り方 -年代別ポイント-

お子さま

野菜嫌いの原因になる野菜の苦みは油によって緩和されます。また、青魚に含まれるDHAという脂肪酸は脳の発達に重要だと言われています。


高齢者

食べる量が少なくなりがちですが、野菜を植物油で調理することで油に溶けやすいビタミン(ビタミンA・D・E・K)を効率よく補給できます。


油の摂り方 -調理のポイント-

フライパンで炒められる野菜

●下ごしらえで余分な油をカット

お肉は油の少ない部位を選び、脂身を取り除きましょう。油揚げや厚揚げは油抜きをすることで、摂取カロリーを抑えることができます。


●調理法は「煮物」「焼き物」「蒸し物」を選択

「揚げ物」や「炒め物」よりも少量の油で調理することができます。炒め物にはフッ素加工のフライパンを使用すると食材がくっつきにくくなり、油の使用量を抑えることが可能です。また、調理前に食材を茹でたり、電子レンジで加熱することで調理時間が短縮されるので、さらに油の使用量を減らすことができます。

包丁で切られるパプリカ

●食材の切り方は大きめに

大きく切ることで油に触れる面積が小さくなり、吸油率を低く抑えることができます。




栄養成分表示 原材料名

油の摂り方 -お菓子を選ぶポイント-

マーガリンショートニングに含まれるトランス脂肪酸は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させ、心疾患のリスクを高めると言われています。購入するときは栄養成分表示を確認してみましょう。



管理栄養士のお悩み解決部屋

体に良い油があるって聞いたけど、どんな種類があるの?

体に良いと言われる代表的な油の種類と特長をご紹介します。
オリーブオイル

オリーブオイル

オリーブオイルに含まれるオレイン酸には血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあります。

 使い方:加熱もしくは生

 使用の目安:大さじ1杯/日

香りが特徴のオリーブオイルは、和食・洋食を問わずさまざまな料理によく合います。

アマ二油

アマ二油

アマニ油に含まれるα-リノレン酸には動脈硬化や血栓を防ぐ働きがあります。

 使い方:生 ※加熱は不向き

 使用の目安:小さじ1杯/日

温かい料理にかけたり、そのまま飲むのもおすすめです。酸化しやすいので開封後は早めに使い切りましょう。

MCTオイル

MCTオイル

消化吸収が良く、エネルギーになりやすい特徴があります。

 使い方:生 ※加熱は禁忌

 使用の目安 :小さじ1杯/日

加熱すると煙が出たり、泡立つ恐れがあるので加熱調理は絶対に避け、直接飲まずに少量を料理にかけて摂るようにしましょう。

どんな油も1gあたり9kcalと高カロリーであるため、良質な油であっても取り過ぎないように注意が必要です。

使用量の目安を守って摂取するようにしましょう。

栄養だより2020年7月号(PDF)

【参考文献】公益財団法人長寿科学振興財団.”三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量”.健康長寿ネット.https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shishitsu-shibousan.html,キューピー株式会社.”見える油と見えない油”.https://www.kewpie.com/education/information/oil/about/point04.html,女子栄養大学出版部,”エネルギー早わかり”,国立健康・栄養研究所.“調理の工夫”.https://www.nibiohn.go.jp/eiken/center/q_mc2.html,農林水産省.”脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響”.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/,日清オイリオグループ株式会社.”オリーブオイル以外にもたくさん!今注目の健康オイル”.https://shop.nisshin.oilliogroup.com/cms/,日本オリーブ株式会社.”オリーブオイルと健康~オリーブオイルの健康効果~”.https://www.nippon-olive.co.jp/contents/food/,日本製粉株式会社.” ニップン アマニ油”.NIPPN NET MALL.https://nippn-netmall.com/SHOP/4902170185173-1.html,日清オイリオグループ株式会社.”日清MCTオイル”.http://products.nisshin-oillio.com/katei/kourei/MCToilpow/017591.php

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