胃もたれの原因とは?胃腸にやさしい生活を送ろう【栄養だより2022年10月号】

栄養のはなし

お腹に手を当てている女性
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

秋には特に気を付けよう!胃腸のトラブル

秋は夏の暑さが和らぎ過ごしやすくなる一方で、気候の急激な変化に体がついていけず、体調が不安定になりがちです。また食材のおいしい季節でもあるので、食べ過ぎによる胃腸の不調を招きやすくなります。日頃の生活を見直すことで胃腸を健やかに保ち、毎日を健康に過ごしましょう!

胃腸の不調の原因

胃腸の不調は食べ過ぎや飲み過ぎ、早食い、偏った食事など、主に食生活からくることが多く、他にもストレスといった精神的な影響や、加齢による機能の低下が原因として挙げられます。

胃腸の不調は痛みだけでなく、肌トラブルや便秘、下痢、口臭などを引き起こします。また、腸内環境の悪化は、免疫力の低下につながるなど健康にさまざまな悪影響を及ぼします。トラブルを未然に防ぐためにも、普段から胃腸をいたわる生活を心掛けましょう。

胃もたれは大丈夫?胃腸の不調チェック

「胃もたれ」とは、胃腸の働きが弱まることで消化が十分に行われず、胃から腸への食べ物の流れが滞っている状態のことです。この消化不良の状態が、胃の中に何かが残っているような重たさやむかつき、痛みの原因となります。

以下の項目がひとつでも当てはまる方は、胃腸の働きが弱まり、胃もたれが起こりやすくなっているかもしれません。


□ 食後にむかつきや不快感がある

□ 前よりも食欲が減った

□ 胃に食べ物が残っている感じがある

□ 胃の不調が繰り返し起こる

自律神経を整え、胃腸を健やかに!

胃腸は他の臓器と同じく、自律神経によって働きがコントロールされているので、自律神経が乱れることで不調をきたしてしまいます。自律神経の乱れは、食事時間の乱れや運動・睡眠の不足、喫煙などの生活習慣と、身体的・精神的なストレスによって引き起こされます。ストレスの少ない規則正しい生活を送り、自律神経を整えましょう。

規則正しい生活を送るために

ベッドの上に置かれている目覚まし時計

決まった時間に起床、就寝する

健康な体をつくるためには、毎日なるべく決まった時間に起床、就寝することが大切です。忙しくて睡眠時間が十分にとれない場合でも、決まった時間に寝起きすることで、体内のリズムが整いやすくなります。

朝食と時計が机の上に置かれている

決まった時間に食事を摂る

栄養バランスのよい食事を一日3食、毎日決まった時間に食べましょう。

朝日を浴びて伸びをする女性

朝日を浴びて体内時計をリセットする

朝に日光を浴びると眠りを促す「メラトニン」の分泌が抑制され、乱れた生活リズムが正常に戻りやすくなります。また「日光を浴びてから14時間以上が経過するとメラトニンが再分泌されて眠気が起こる」といわれているので、朝早くに日光を浴びることで夜眠くなる時間も早まり、早寝早起きにつながります。

生活リズムは心掛け次第で整えることが可能です。毎日の積み重ねを意識し、少しずつ生活習慣を改善していきましょう。

ストレスを解消するために

ヨガマットの上でストレッチをしている女性

ストレス解消のための方法の1つは、体を動かすことです。疲れ過ぎない程度の軽い運動を日々の生活に取り入れることで、ネガティブな気分を発散し、心身ともにリラックスすることができます。
他にも、気持ちを紙に書き出す腹式呼吸を行う音楽を聴く歌を歌う笑顔を心掛けるなどのストレス解消法があります。たまったストレスは定期的に発散し、心も体も健康な状態で過ごしましょう。

管理栄養士のお悩み相談部屋

食後に胃もたれを感じるときがあります。胃もたれを防ぐために気を付けるべきことはありますか?

胃もたれは食事の摂り方や内容に気を付けることで予防できます。以下の3つのポイントを意識して、食事をおいしく楽しみましょう!

胃もたれを防ぐ食事の3つポイント

ご飯をよくかんで食べている女性

①ゆっくりよくかんで食べる

早食い暴飲暴食は消化不良を起こしやすく、胃もたれの原因になります。食事はよくかむことで満腹感が得られやすくなり、胃液や唾液などの分泌も高まるといわれているので、腹八分目を心掛けゆっくり食べましょう。

味の濃い味噌ラーメン

②胃腸に負担がかかる食事を摂り過ぎない

油っこい食事冷たすぎる・熱すぎる食事味が濃い食事は胃腸に負担がかかるので、胃もたれの原因となる恐れがあります。またコーヒーやお茶に含まれるカフェインや、刺激の強い香辛料の摂り過ぎも胃痛の原因となるため、摂取する際は適量を楽しむようにしましょう。

並べられている2本の山芋

③消化を助け、胃の負担を軽減する食品を取り入れる

山芋大根には消化を助けるアミラーゼが含まれています。また山芋や里芋オクラなめこなどのネバネバした食材には、胃腸の粘膜を守る働きがあります。これらの食品を日々の食事に取り入れ、胃腸にやさしい食生活を送りましょう。

  • 野菜を持ってる管理栄養士
    日本調剤の管理栄養士へのご相談は、処方箋をお持ちでない方でも、どなたでもご利用いただけます。病気というほどではないけれど、ちょっと健康のことが気になるな……胃腸にやさしい食事についてもっと話を聞いてみたい!と思ったら、ぜひお気軽にお近くの日本調剤にお立ち寄りください。
栄養だより2022年10月号(PDF)

【参考文献】全国健康保険協会.”9月 食事を正して胃腸の調子を整える!”.https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/260901/,江崎グリコ株式会社.”胃もたれはなぜ起こる?簡単胃もたれ対策でおなかスッキリ”.2017年12月1日.https://cp.glico.com/bifix/article/2017/12/01/post_120.html,エーザイ株式会社.”年齢とともに増加する胃の悩み・症状と原因”.胃のサイエンス.https://www.i-no-science.com/LP/SBL2.html,サントリーホールディングス株式会社.”乱れた生活リズムを戻すためのポイントを解説。不規則な生活が続くとどうなる?”.サントリーウエルネスOnline.https://www.suntory-kenko.com/column2/article/3619/,厚生労働省.”こころと体のセルフケア”.こころもメンテしよう.https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/index.html,(閲覧日:2022年9月13日),高橋書店.”からだにおいしいキッチン栄養学”.P56

※山芋に含まれるねばねば成分を「ムチン」と記載しておりましたが、内容について誤りがありましたので訂正してお詫び申し上げます。

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