腸内環境を整えよう!便は身体のバロメーター【栄養だより2020年2月号】

栄養のはなし

ふたが上がった状態のトイレ
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

便の健康状態を知ろう!

虫眼鏡

ご自分の便の状態をご存知ですか?便は胃腸の消化吸収の働きによって作られます。食べ物の栄養素を吸収した後、身体に不要な食べ物のカスを排出する排便は、私たちが生きていく上でとても大切な役割を果たしています。

便のチェックポイント

1.硬さ

少しりきめばバナナ状の便がスルリと出て、排泄後に「スッキリとした爽快感」があれば健康な便といえるでしょう。排便が2~3日に1回でも、不快に感じなければ便秘ではありません。


2.におい    

においに影響するのが腸内細菌です。食生活が肉や脂っこいものに偏り、悪玉菌が増えると嫌なにおいが強くなり、善玉菌が増えるとにおいは抑えられると考えられています。善玉菌を多く含む食品として、「納豆」「ヨーグルト」等が挙げられます。


3.色

健康な便は黄土色~茶色です。腸内に便が留まっている時間が長いほど、色は濃くなります。下記のような色をしている場合には、注意が必要です。


【白・灰色】脂肪のとりすぎによる消化不良や病気の可能性があります(バリウム服用が影響している場合もあります)。

【黒色】胃腸から出血している可能性があります(服用薬が影響している場合もあります)。

【赤色】痔による出血のほか、腸の病気が隠れている可能性もあります。

健康な便 6つのポイント

【硬さ】練り歯みがきのようになめらかで軟らかい

【におい】便臭はあるがきつい悪臭ではない

【色】黄土色~茶色

【形】バナナ状、またはとぐろを巻く

【量】バナナ1本~2本程度

【重さ】トイレの水に浮く

あなたの腸内環境は大丈夫?~セルフチェック&食事アドバイス~

トイレに座ってトイレットペーパーに手を伸ばす女性

便秘も下痢も腸のトラブルによって起こります。不規則な食生活は腸内環境を乱してしまう要因のひとつです。日頃から腸の働きや腸内バランスを整える食べ方を心掛けることが大切です。ご自分の便秘や下痢の危険度をチェックして、食生活を見直してみましょう。


便秘セルフチェック

□ 朝食を抜くことが多い

□ ダイエットをしている

□ 水分をあまりとらない    

□ 肉類をよく食べる

□ 運動をあまりしない 

□ ストレスが溜まっている

□ 痔を患っている

□ 排便を我慢することが多い

□ 不規則な生活になりやすい

□ 下着が窮屈だ


<チェックの数>
0個…快便タイプ
1~3個…便秘予備軍
4個以上…便秘でお悩みではないでしょうか。生活習慣を見直しましょう。

<便秘の方への食事アドバイス>

【水分】

水分をとると便は軟らかく出やすくなります。こまめにとることを心掛けましょう。

【食物繊維】

便のかさを増やし、腸の動きを促して排便をスムーズにする効果があります。

【脂質】

適度な脂質は便のすべりをよくしてくれます。また、脂肪酸は腸を刺激します。

※痙攣(けいれん)性便秘では控えましょう

【刺激物】

香辛料や酸味は大腸を刺激して排便を促す働きがあります。

※痙攣(けいれん)性便秘では控えましょう

下痢セルフチェック

□ たばこを吸う

□ 脂っこいものをよく食べる

□ ストレスが溜まっている

□ キッチンが不衛生である

□ 寝相が悪く、よく寝冷えをする

□ 辛い物が好き

□ 冷たい食べ物や飲み物が好き

□ 牛乳は特濃タイプを選ぶ


<チェックの数>

0個…下痢知らずタイプ

1~3個…下痢予備軍

4個以上…下痢でお悩みではないでしょうか。生活習慣を見直しましょう。

<下痢の方への食事アドバイス>

【水分】

下痢が続くと、脱水症状を起こす可能性があるので、しっかり水分補給をしましょう。その際は常温のお水がおすすめです。

【食物繊維】

腸に負担をかけるので、下痢の間は控えるようにしましょう。

【脂質】

消化に時間がかかり、腸に負担をかけてしまいます。脂質の多い肉や揚げ物は避け、雑炊や豆腐など消化のよいものを食べるようにしましょう。

【刺激物】

腸内は過敏な状態になっているので、腸に刺激を与える香辛料やアルコールは控えましょう。


  • 野菜を持ってる管理栄養士
    日本調剤の管理栄養士へのご相談は、どなたでもご利用いただけます。病気というほどではないけれど、ちょっと健康のことが気になるな……と思ったら、ぜひお気軽にお近くの日本調剤にお立ち寄りください。
栄養だより2020年2月号(PDF)

【参考文献】 太陽化学株式会社. 食と健康Lab. https://www.taiyokagaku.com/lab/column/, ビオフェルミン製薬株式会社. “乳酸菌とおなかのこと セルフチェック”. https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/selfcheck/, MSD株式会社. 便秘・下痢の方のためのやさしい食卓, タケダ健康サイト. “便秘セルフチェック”. 武田コンシューマーヘルスケア株式会社. https://takeda-kenko.jp/navi/check.php?key=benpi, タケダ健康サイト. “下痢セルフチェック”. 武田コンシューマーヘルスケア株式会社. https://takeda-kenko.jp/navi/check.php?key=geri

関連するタグ

関連記事

次の記事
油断大敵!冬場の血圧変動に注意しよう!【栄養だより2020年1月号】
日本調剤トップ お役立ちコラム 栄養のはなし 腸内環境を整えよう!便は身体のバロメーター【栄養だより2020年2月号】