【栄養だより】ちゃんと摂れている?1日350gの野菜を食べよう!

栄養のはなし

色鮮やかな緑黄色野菜
体に欠かせない栄養素がたくさん詰まっている「野菜」。中でも特に、ビタミンC・カルシウム・カリウム・食物繊維など、生活習慣病の予防に効果のある栄養素が豊富に含まれています。

そんな栄養たっぷりな野菜ですが、日本人一人当たりの年間野菜消費量は減っており、厚生労働省では、「1日350g以上の野菜を食べること」を推奨しています。この目標量を1日3回の食事で摂取しようとすると、1食あたり120g。生の野菜を両手に山盛り1杯分くらい食べる必要があります。


「1回の食事でこれだけの量を食べるのは難しそう…」と思われる方も少なくないかと思いますが、野菜はサラダだけではなく、和え物や酢の物、煮物など、素材のうまみを生かす調理法がたくさんあります。生野菜のほかにも、たくさんの量を食べることのできる加熱調理したメニューも意識して取り入れてみましょう。

目指せ350g!しっかり野菜を摂るための3つのアドバイス

1.野菜は5皿に分けて食べよう!

1日の食事のメニューに取り入れるには、1皿70gを目安に、×5皿分で350gを目指しましょう。1回の食事で5皿ではなく、1日の中で複数回に分けて食べるようにしましょう。


【野菜1皿の例】

・具だくさん味噌汁

・ほうれん草のお浸し

・野菜サラダ

・かぼちゃの煮物

・野菜炒め    など

※野菜炒めは2皿分と数えます。

2.簡単に食べられる野菜を常備しよう!

レタス、きゅうり、プチトマトなど、そのまますぐ食べられる野菜を常備しておけば、野菜を食べる機会が増えます。下茹でしたブロッコリーやほうれん草などを冷凍して常備しておくと、もう1品欲しいときなどに解凍してすぐに使うことができるので便利です。
小鉢に入ったほうれん草のおひたし

お皿の上に盛られたトマトとプチトマト

3.色の濃い野菜を選ぼう!

数ある野菜の中でも、「赤」や「黄」「緑」などの色の濃い野菜を積極的に摂るのがおすすめ。色の濃い野菜は抗酸化作用が強く、また見た目もカラフルになるため、食欲を高める効果があります。
かごの中につめられた赤パプリカ

トマトや金時にんじんなどに含まれるリコピン色素や、パプリカ・唐辛子などに含まれるカプサンチンには、動脈硬化を予防する働きがあります。
3つの玉ねぎ

玉ねぎにはフラボノイドという色素が含まれており、高血圧予防に効果があるとされています。
横に置かれたブロッコリー

ほうれん草やブロッコリーなどにはクロロフィルという成分があり、コレステロールのバランスを整えてくれます。
巻き簾の上に置かれた茄子

なすや赤しそには、アントシアニンを多く含み、加齢による視力低下を改善する効果があります。

ビタミン・ミネラル不足にご注意!

3大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)にビタミン・ミネラルを加えたものを「5大栄養素」といいます。ビタミン・ミネラルは3大栄養素の働きを助ける重要な役割を持っています。どちらも体から作ることができないため、食事で補うことが大切です。3食で5種類以上の野菜を使用することで、ふだんの食事からビタミン・ミネラルを上手に摂るように心がけましょう。
サラダボウルを混ぜる女性

かんたん★ビタミン・ミネラル不足チェック

□ 目の乾きが気になる

□ 口内炎ができる

⇒ ビタミンAが不足している可能性があります。にんじんなどの緑黄色野菜や、チーズ・レバーを食べるようにしましょう。


□ しみやくすみが気になる

⇒ ビタミンCが不足している可能性があります。ピーマンやパプリカ、ブロッコリーを食事に取り入れてみましょう。


□ 骨や歯が弱い

⇒ カルシウム・ビタミンD・マグネシウムが不足している可能性があります。小松菜やほうれん草、きのこ類を摂るようにしましょう。


□ 貧血気味である 

⇒ 鉄・葉酸・ビタミンB12が不足している可能性があります。レバーやほうれん草、ブロッコリーなどを摂取しましょう。


※上記のチェックリストでは、一部のビタミン・ミネラルを抜粋しています

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0kcalの食品はたくさん食べても大丈夫なの?

0kcalと表示があっても完全に「ゼロ」ではなく、消費者庁の定めた食品表示基準によって、一定の基準を満たせばノンカロリーやカロリーオフなどが表示可能となっています。そのため、間食等で0kcalの食品を摂取する際は適量をおすすめします。


下記の食品表示基準に基づき、1本500ml の0kcalジュースを例にとってカロリー含有量を考えてみましょう。

100mlあたり5kcal未満は0kcalと表示ができるため、4kcalまでは含まれている可能性があります。

500mlあたりの量を計算すると、

「4kcal(100mlあたり)×5=20kcal(500mlあたり)」

となり、最大で20kcalも含まれている可能性があります。0kcalだからといって、飲みすぎ・食べ過ぎには注意が必要です。


いつも食べているもののカロリーや栄養成分についてもっと知りたいという方は、お気軽にお近くの店舗の管理栄養士にご相談ください。

【食品表示基準~食品100gあたりの栄養成分の含有量~】

●エネルギー

含まない旨の表示 (ゼロ・ノン):5kcal(5kcal)未満

低い旨の表示 (低・控えめ):40kcal(20kcal)以下

●脂質

含まない旨の表示 (ゼロ・ノン):0.5g(0.5g)未満

低い旨の表示 (低・控えめ):3g(1.5g)以下

●糖質

含まない旨の表示 (ゼロ・ノン):0.5g(0.5g)未満

低い旨の表示 (低・控えめ):5g(2.5g)以下

●ナトリウム

含まない旨の表示 (ゼロ・ノン):5mg(5mg)未満

低い旨の表示 (低・控えめ):120mg(120mg)

()内は100mlあたり含有量

参考文献:「読む栄養補給 NU+(ニュータス)」https://www.nutas.jp/(日本栄養士会)、「『やさい』『くだもの』の摂取拡大」http://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu/yasaikudamono/kudamonoyasai2.html(九州農政局)、「栄養成分百科」https://www.glico.co.jp/navi/dic/index.html(江崎グリコ)、「ビタミン・ミネラル事典」https://takeda-kenko.jp/kenkolife/vitamin/(タケダ健康サイト)、「<事業者向け>食品表示基準に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/food_labeling_act_180518_0001.pdf(消費者庁)

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