バランスの取れた食生活のために!栄養成分表示を活用しよう【栄養だより2023年10月号】
栄養のはなし
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。
栄養成分表示って?
栄養成分表示とは、容器包装に入れられた加工食品や添加物に含まれる栄養成分の量が表示されているものです。生活習慣病の予防や健康の維持・増進に深く関わる重要な栄養素であるエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目は、表示が義務付けられています。また、食品単位は『100g当たり』または『1食分当たり』で表示されます。
スーパーやコンビニで加工食品を購入する際には、商品パッケージで栄養成分表示を確認する習慣を付けましょう。
栄養成分表示5項目について
栄養成分表示が義務付けられている5項目が持つそれぞれの働きや、摂取する際のポイントについては、以下を確認しましょう。また、例として、50歳男女が1日3食摂る場合の1食分当たりの目安量も示しています。
エネルギー
生きるために必要な活動の源で、三大栄養素の一つ。たんぱく質、脂質、炭水化物からなる。
【男性:870kcal 女性:650kcal】
たんぱく質
主に、骨格や筋肉などの体をつくる材料となる。低栄養予防のためにも摂りたい栄養素。
【男性:32.5g 女性:24.5g】
脂質
細胞の膜やホルモンをつくる材料となる。肥満傾向の方は摂り過ぎに注意。
【男性:24.0g 女性:18.0g】
炭水化物
エネルギー源となる糖質と、エネルギー源とならない食物繊維からなる。糖質を摂り過ぎると中性脂肪として蓄積される。
【男性:130.5g 女性:97.5g】
食塩相当量
食品中のナトリウム含有量を食塩に換算した量。
【男性:2.5g 女性:2.1g ※高血圧の方は男女ともに1食当たり2g以下が目安量】
栄養成分表示を食事の選択に取り入れてみよう!
おにぎりや菓子パンなど主食の単品のみでは、栄養成分表示を見ると、炭水化物の割合が多く、たんぱく質が1食の目安量より少ないなど、栄養バランスが偏りやすくなります。菓子パンの場合は、具だくさんのサンドイッチに変更するとよいでしょう。また、おにぎりに卵や蒸し鶏入りサラダを追加するなど、食品の組み合わせを工夫することで、栄養成分が1食の目安量(前述参照)に近付き、栄養バランスの偏りが少なくなります。
(例)鮭おにぎり2個と蒸し鶏サラダ(和風ドレッシング付き)、それぞれの栄養成分量を足すと、エネルギー「465kcal」、たんぱく質「17.0g」、脂質「8.5g」、炭水化物「81.0g」、食塩相当量「2.9g」となり、一緒に摂ることで1食の目安量に近付いていることがわかります。
鮭おにぎり
蒸し鶏サラダ(和風ドレッシング付き)
ご自身の疾患や体調に合わせて、食事を選択する際に栄養成分表示を活用してみましょう!
管理栄養士のお悩み相談部屋
最近よく見る「ノンカロリー」「低カロリー」「カロリーオフ」の表示に違いはありますか?
はい、実は違いがあるんです。
上記のような「栄養強調表示」は、100g当たりでそれぞれ表示の基準が決まっています。
栄養強調表示って?
栄養強調表示とは、栄養成分が一定の基準より多い、もしくは少ないことを示したものです。実は、「カロリーゼロ」「ノンカロリー」と表示されていても、大量に摂取してしまうと、エネルギー摂取量が増えて肥満の原因になります。
栄養強調表示の例と、それぞれの表示基準
カロリーゼロ、ノンカロリー
食品100g(100ml)当たり5kcal未満
低カロリー、カロリー控えめ
食品100g当たり40kcal以下(食品100ml当たり20kcal以下)
カロリー〇%カット、カロリー〇%低減
他の同種の食品と比較して、食品100g当たり40kcal(100ml当たり20kcal)以上の低減、かつ、25%以上の相対差
カルシウムたっぷり
カルシウムが高い旨の表示基準値は、100g当たり204mg以上
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日本調剤の管理栄養士へのご相談は、処方箋をお持ちでない方でも、どなたでもご利用いただけます。病気というほどではないけれど、ちょっと健康のことが気になるな……食事選択の際に栄養成分表示を活用するポイントや、ご自身の1日のエネルギー・各栄養素の目安量を知りたい方は、ぜひお気軽に、お近くの日本調剤までお立ち寄りください。また、薬局にご来局いただかなくても、オンライン栄養相談でも皆さまの食事・栄養をサポートしております。オンライン栄養相談をご希望の方は「栄養相談/認定栄養ケア・ステーション」を選択の上、お問い合わせください。
【参考文献】消費者庁.”【消費者の方向け】栄養成分表示の活用について”. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/consumers/,消費者庁.”栄養成分表示について”.https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/ (閲覧日:2023年9月14日)
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