管理栄養士の活動事例

日本調剤の管理栄養士は、薬局という枠を超え、さまざまなフィールドで皆さまの健康づくりを支えています。日々どのように健康課題と向き合い、解決に向けて伴走しているのか、その活動事例の一部をご紹介いたします。

※実際の指導事例に基づいてご紹介していますが、プライバシーに配慮し、一部の情報を変更しています。あらかじめご了承ください。

暮らしを支える(患者さま・ご家族向け事例)

ケース1:健康診断後の不安を解消。薬に頼らず食事からアプローチ

Aさん(60代女性)は、「健康診断でLDLコレステロール値が正常範囲を超えそう」と不安を抱え、店舗の健康イベントへの参加をきっかけに管理栄養士への栄養相談を希望されました。

「薬は飲まずに食事で改善したい」というご意向を受け、継続的なサポートを開始。食事記録から1日の脂質摂取量が過剰傾向にあることが確認できたため、まずは脂質の少ない食品の選択や組み合わせを提案しました。

その後も、不足していた青魚や海藻類を缶詰や使い切りタイプの商品で手軽に摂る方法や、「外食時のパスタはクリーム系ではなくトマト味や和風」「ケーキを食べるならシフォンケーキ」といった具体的なメニュー選択をアドバイス。さらに、調理油の使用を減らすため、副菜をお浸しや酢の物に変える提案を行いました。あわせてご紹介した「日本調剤の食物繊維ゼリー」も、便通改善の実感とともに継続購入に繋がっています。

【管理栄養士より】

食事の内容は、季節やその時の体調によって変化する方がほとんどです。継続的に栄養相談を実施することで、その時々の患者さまの状態にフィットした食事提案とサポートが可能になります。

 

ケース2:妊娠中の不安に寄り添うオンライン相談

Bさん(30代女性)は、当社のホームページを見てオンライン栄養相談にお申し込みされました。過去に妊娠糖尿病と診断された際、食事制限を行ったものの結果が出ず、食事への恐怖心を抱えていらっしゃいました。

お話を伺うと、通院していた病院では一般的な食事指導を受けていましたが、ご自身の生活スタイルに合わせた具体的な相談ができず、戸惑われていたという背景がありました。そこで、妊娠中のホルモンの影響やインスリン注射の重要性など、身体の仕組みを丁寧に説明。その上で、妊娠時と非妊娠時それぞれの状況に合わせた「栄養を摂りながら血糖値を管理する方法」をアドバイスしました。

ご自宅からリラックスして相談できたことで心理的な負担も軽減し、相談後には「もし次の妊娠があった時も、また相談していいですか」と嬉しいお言葉をいただきました。

【管理栄養士より】

オンライン相談は、対面では話しにくい悩みも打ち明けやすいのが特徴です。妊娠中というデリケートな時期こそ、いつでも繋がれる安心感を提供し、包括的に相談者さまの健康管理をサポートします。

※妊娠中の方の栄養相談につきましては、より安全に指導を行うため、事前に主治医へご相談の上でご利用をお願いしております。

 

ケース3:多品目の食物アレルギー。「何を食べたらいいの?」という悩みをオンラインで解決

Cさん(50代女性)は、「牛乳や卵をはじめ、多品目にわたる食物アレルギーがあるため、不足しやすい栄養素と注意点を教えてほしい」とオンラインでご相談いただきました。

食物アレルギーの状況や普段の食事内容を詳細にヒアリングした上で、アレルゲンを除去することで不足しやすい栄養素を特定し、それらを補うための代替となる食品について具体的にアドバイスを行いました。近くに相談できる場所がなくても、ご自宅からオンラインで参加できたことで、「ありがとうございます。参考になりました」と安心されたご様子でした。

【管理栄養士より】

複数のアレルギーがある場合、アレルゲンの除去によって栄養不足を招く恐れがあります。「場所」を選ばないオンライン相談の利点を活かし、全国どこからでも専門的なアドバイスをお届けします。

※食物アレルギーに関するご相談は、安全のため事前にかかりつけ医へお話しいただくことを推奨しております。

 

ケース4:「食べる楽しみ」と「十分な栄養」、小児在宅医療でご家族の迷いをサポート

Dさん(30代女性)は、在宅で療養中のお子さまの栄養摂取についてお悩みでした。。静脈栄養、経腸栄養のほか、経口で栄養剤と少量の普通食を摂取していましたが、栄養剤を先に飲むとお腹がいっぱいになり、普通の食事が進まない状況だったそうです。

ご自宅に訪問し、相談を受けた管理栄養士は、ご家族の「食事の楽しみも大切にしたいが、栄養もしっかり摂らせたい」という迷いを受け止め、医師への報告書(栄養情報等提供書)を作成しました。「栄養剤の摂取を優先すべきか」を確認したところ、医師から「今は栄養剤での栄養確保を優先」との明確な指示が得られました。これによりDさんの迷いが解消され、自信を持ってケアにあたれるようになりました。

【管理栄養士より】

在宅療養では、医師が示す治療方針と、患者さまの生活の楽しみとの間で、どうバランスをとるべきかご家族が悩まれることがよくあります。私たち管理栄養士が医師とご家族の「橋渡し」役となり、時にはICTツールを活用して密に連携することで、患者さまにとって最善の療養環境を整えます。

 

ケース5:食欲低下を防ぐため、主治医に塩分制限の緩和を提案

心不全で入院されていたEさん(70代男性)。退院後、奥さまはご主人のために塩分制限を守ろうと薄味の食事を作られていましたが、Eさんの食欲は落ちる一方でした。

このままでは体重と筋肉量が減少し、かえって体調が悪化するリスクがあると考えた管理栄養士は、多職種連携ツール(MCS)を通じて主治医へ連絡。塩分制限を緩めることも一つの選択肢ではないかと提案しました。

医師からの許可を得た後、間食の摂り方などを調整しながら、「美味しく食べて体力を維持する」プランに変更。Eさんご本人だけでなく、食事を作る奥さまの精神的な負担も和らげることができました。

【管理栄養士より】

「制限」を守ることだけが正解ではありません。患者さまのQOL(生活の質)を優先し、時には指導内容を柔軟に見直す提案ができるのも、患者さまの生活を一番近くで見ている在宅管理栄養士の役割です。

 

ケース6:薬局管理栄養士が地域の小児医療をサポート

ある日本調剤の薬局と同じ医療モール内にある小児科クリニックへ乳幼児健診に訪れたFさん(30代女性)は、初めての離乳食の進め方や、お子さまの便秘について悩んでいました。

地域連携の一環として、該当の薬局ではこの小児科クリニックで健診を受けた方を対象に、管理栄養士が個別に面談を実施していました。クリニックからの栄養指導書に基づき、月齢に応じた母乳・ミルクの量や離乳食全般の進め方をアドバイスしました。薬局でじっくり相談できたことで、Fさんは「話を聞いてもらって気持ちが楽になった」と安堵の表情を見せられました。

【管理栄養士より】

毎日の食事の悩みは、子育ての悩みそのものです。お母さま、お父さまにも安心して過ごしていただけるよう、薬局でもお子さまの成長をサポートしていきたいです。

 

ケース7:生活状況を評価ツールで「見える化」し、医師へ処方提案

管理栄養士は薬剤師と協働して「服薬情報等提供書(以下、トレーシングレポート)」を作成し、診察室では見えにくい患者さまの「生活」や「栄養状態」を医師に届けることで、治療の最適化を支援しています。

体組成計を用いた筋肉量の測定結果、栄養状態評価(MNA-SF)、認知症評価スケール(DASC-8)などを用いて、食事内容、運動状況、生活機能の変化といった主観的になりがちな情報を、客観的かつ信頼性の高いデータとして可視化します。

例えば、低栄養のリスクがある方への栄養剤の処方提案や、認知機能の低下による服薬管理の課題共有など、根拠に基づいた報告を行うことで、スムーズな処方変更や治療方針の決定に役立てられています。医師からは「患者さんの生活状況が把握でき、治療の助けになる」と評価をいただき、医療機関との連携強化にも繋がっています。

【管理栄養士より】

感覚ではなく、信頼性の高い評価ツールを用いて根拠を簡潔に示すことが、医師とのスムーズな連携の鍵です。薬と栄養の専門家がタッグを組むことで、より安全で質の高い医療の提供に貢献します。

 

企業の健康経営を支える(法人さま向け事例)

ケース8:エビデンスに基づき、「自分事化」を促す脱メタボ講座

健康経営に取り組むA社より依頼を受け、健康講座を企画しました。特定健診でリスク項目があると判定された社員の方々を対象に、全9種の講座の中から必要なものを受講していただくスタイルです。

例えば、「脱メタボ!」をテーマにしたオンライン講座。一方的な講義ではなく、参加者一人ひとりがご自身のBMIや必要エネルギー量を計算するワークショップ形式を取り入れました。「なぜ体重が増えるのか」というエビデンスを学んだ後に、ご自身の数値を計算することで、健康課題を「自分事」として捉えていただけます。 講座後のアンケートでは、「菓子パンをやめる」「運動を始める」といった具体的な行動宣言が多数寄せられ、意識変容の手応えを感じられました。

【管理栄養士より】

健康知識は「知っている」だけでは意味がありません。「自分の場合はどうなのか」を理解し、明日からの行動を変えるきっかけを作ることが、私たちのセミナーのゴールです。オフィスで実施する対面講座だけでなく、オンラインやオンデマンド配信など、ニーズに併せて柔軟に対応しています。

 

ケース9:健康経営支援によるオンライン相談窓口での改善提案

企業の健康経営支援事業の一環として、オンライン栄養相談窓口の運営も受託しています。

この窓口を利用されたB社の社員・Gさん(40代女性)から、「HbA1c※と体重が改善しないが、食べることは生きがいなので、好きなものを完全にやめるのは辛い」とのご相談を受けました。

そこで、無理に好物を禁止するのではなく、現在の生活スタイルの中で「頻度」や「タイミング」を調整する方法を模索。具体的には、かさ増し食材(野菜・きのこ・海藻)で満腹感を高める工夫や、間食のタイミング変更などを提案しました。


※HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)…血液中のヘモグロビンのうち、 糖と結合しているもの。直近1~2か月の血糖値の状態を知ることができる。

【管理栄養士より】

働く世代にとって、食事はストレス解消の手段でもあります。ご本人の価値観を尊重し、決して無理強いせず、ライフスタイルに溶け込む「現実的な改善策」を一緒に考えます。

 

ケース10:忙しいビジネスパーソンのための手軽な食事選びをアドバイス

C社が開催した社員向けの健康イベントにて、「コンビニでもできる健康な食事」をテーマにしたセミナーと栄養相談ブースを担当しました。

会場では血管年齢や体組成などの測定ができたため、その結果を持参して相談に来られる社員の方が多数いらっしゃいました。「健康診断の結果が悪かったが、何をすればいいか分からない」という方に対し、その場で数値を見ながら「LDLコレステロールを下げるための食事」「効率よく野菜を摂取する方法」などを5〜15分でコンパクトにアドバイス。「体に悪い生活ではないと思っていたが、改善点に気づけた」「勉強になった。今日の食事から実践する!」と、多忙なビジネスパーソンの即効性のある行動変容に繋がりました。

【管理栄養士より】

測定結果という「数値」と、管理栄養士の「具体的な助言」がセットになることで、納得感が高まったご様子でした。忙しい方々に適した食事のアドバイスを行い、ご依頼いただいた企業の皆さんが少しでも健康になっていただけたら嬉しいです。

 

地域社会の健康を支える(自治体さま向け事例)

ケース11:「教える」のではなく「引き出す」。自治体から受託した介護予防事業でのコーチング

B市から介護予防事業(訪問型サービスC)を受託し、主に要支援認定を受けた方のご自宅へ管理栄養士が訪問しサポートを行っています。

対象者の一人、糖尿病治療中のHさん(70代男性)に対し、3か月間で5回ほどご自宅を訪問しました。この事業の目的は、管理栄養士が「指導する」のではなく、ご自身がセルフマネジメントできるようになる「コーチング」です。Hさんの食事記録と、理想的な献立を比較しながら、「どうすれば楽しく食べられるか」をご本人と相談しながら考えました。

一緒に決めたルールを実践した結果、HbA1c※は7.3%から6.8%へ下がりました。「こんなに下がったのは初めて。自信につながった」と、とても喜ばれていました。


※HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)…血液中のヘモグロビンのうち、 糖と結合しているもの。直近1~2か月の血糖値の状態を知ることができる。

【管理栄養士より】

私たちが訪問を終えた後も、対象者の暮らしは続きます。教えるのではなく、ご本人の中にある「変わる力」を引き出し、セルフマネジメント力を養うお手伝いをします。

 

ケース12:他職種と連携し、生活環境に合わせた具体的な食習慣・生活習慣を助言

C市の「個別地域ケア会議」でアドバイザーとして活動しています。C市の「個別地域ケア会議」では、会議室での検討だけでなく、実際に専門職がご自宅を訪問して助言を行うケースも多くあります。

Iさん(80代女性)は、糖尿病や腎機能低下にお困りでいらっしゃいました。管理栄養士は事前にIさんの検査値や服薬情報を関係者から収集した上で、理学療法士と共にご自宅を訪問。限られた時間の中で、Iさんが無理なく生活に取り入れられる実践的な調理メニューや、糖尿病食品交換表※の活用方法などを助言しました。


※糖尿病食品交換表…食事療法において、カロリーや栄養バランスを保ったまま、好みに合わせて別の食品へ「置き換え(交換)」を行うための基準書。(日本糖尿病学会作成)

【管理栄養士より】

「管理栄養士に具体的な話ができて安心した」と思っていただけるよう、無理なく生活に取り入れられる食習慣・生活習慣をご提案できるように心がけています。

 

ケース13:ライフスタイルに合わせた特定保健指導

特定健診でメタボ予備軍と判定されたJさん(70代男性)に対し、特定保健指導を実施しました。Jさんは20年以上禁酒を続けるなど健康意識が高い方でした。しかし、管理栄養士がお話を伺ううちに、職業柄、どうしても夕食が「コンビニ中心」になってしまうという課題が見えてきました。

そこで、無理に自炊を勧めるのではなく、「いつものお弁当にプラスできるおすすめの野菜惣菜」や「食物繊維を手軽に増やす選び方」など、コンビニを賢く利用する術を提案。 「そんな方法があるのか、帰りにスーパーに寄って行かなきゃ!」と、ご自身の生活リズムの中でできる工夫を見つけ、笑顔で帰られました。

【管理栄養士より】

特定保健指導は、生活習慣病の発症リスクが高い方に管理栄養士が数か月間伴走し、将来の重大な病気を未然に防ぐための健康サポート制度です。指導を通じて、「健康を支えてくれる人がいる場所=薬局」を知っていただけたら嬉しいです。

 

企業情報トップ 事業内容 調剤薬局事業 「食・栄養の専門家」管理栄養士の取り組み 管理栄養士の活動事例