特定したマテリアリティ

日本調剤が取り組む21のマテリアリティ(重要課題)

 日本調剤グループは2021年度に、持続可能な社会への貢献に求められる21のマテリアリティを特定しました。6つの重要課題グループに大別されるこのマテリアリティを踏まえて、事業活動を通じた貢献と経営基盤の強化の両面から取り組みを進めていきます。


重要課題グループ No. マテリアリティ 説明
A.医療のクオリティとアクセシビリティ
1 薬局機能の強化(高度医療や地域医療への対応)による患者さまの薬物治療効果の向上 専門医療機関との連携による高度医療への対応や、地域医療機関との連携による地域医療や在宅医療への対応を進め、薬局機能の強化を実現。患者さまへ質の高い医療サービスを提供することにより、治療効果の最大化や重症化予防へ貢献します。
2 未病・予防など地域の健康をサポートする薬局機能の拡張 健康チェックステーションをはじめとした健康をサポートする拠点の拡充やイベント・セミナーの開催、栄養指導の提供などを通じ、生活習慣病の早期発見・予防、健康促進を行い地域住民の皆さまの健康維持をサポートします。
3 薬局における医薬品使用の適正化による社会保障への貢献 重複投薬の防止やジェネリック医薬品の利用促進、医療ビッグデータの分析、科学的根拠に基づく中立的な医薬品情報の提供といった取り組みを通じ、患者さまの負担軽減や医療費の増加抑制に取り組みます。
4 地域の医療・福祉インフラとしての薬局の持続的な運営、災害・パンデミック等への対応 日本全国どこでも質の高い医療サービスを受けられる店舗展開と、災害・パンデミック時など非常事態下においても医療の提供を継続できる体制の整備を行い、医療・福祉インフラとしての機能を担います。
5 薬局における医療安全の確保 店舗業務フローの整備・運営と定期的な分析による見直し、調剤業務のシステム化や機械化の推進を通じ、医療安全の確保に取り組みます。
6 DXによるオンライン医療推進と新規ビジネス創出 ICTへの積極的な投資により医療のデジタル化に対応し、効率性や患者さまの利便性を高めるとともに、患者さまにメリットのある新規ビジネスの創出に取り組みます。
7 医療発展に貢献する調査・研究発表 社内学術大会の実施や外部機関との共同研究、学会での発表を通じ、エビデンスに基づいた医薬品情報の共有を行うことで社会全体の医療の質の向上に貢献します。
B.医薬品の品質と安定供給
8 高品質で安全性の高い医薬品の研究開発・製造 医療現場のニーズに合わせた新製品の開発と、GMPを遵守した厳格な品質管理体制のもとでの製造により、経済的で高品質な医薬品を提供いたします。
9 医薬品の安定供給 豊富な物流拠点と、製造工程を含めた供給体制の継続的な改善により、必要とされる医薬品を全国各地へスムーズにお届けするための体制を整えます。
C.医療機関の人的課題の解消
10 良質な医療サービスの提供に向けた人的側面からの支援 医療従事者の成長支援と適材適所への派遣・紹介を通じて、医療サービスの質の向上と、医療人材の不足や地域的偏在の解消に貢献します。
11 産業医紹介によるメンタルヘルスを含む健康と労働衛生の支援 産業医業務提供事業を全国展開し、メンタルヘルスを含む健康管理を中心とした労働衛生管理を支援することで、企業の健康経営を支えます。
D.カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーへの寄与
12 薬局と工場をはじめとした廃棄物の削減と資源利用の効率化 事業活動を行う全ての拠点で、廃棄物の発生を抑制し環境に配慮した資源利用を推進することで、サーキュラーエコノミーの実現に寄与します。
13 エネルギー利用の効率化と再生可能エネルギー利用によるCO2削減 省エネルギー化を進める一方で、再生可能エネルギーの利用を推進するなど、環境負荷を低減し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
14 環境・社会配慮と透明性に優れたサプライチェーンの構築 法令や社会規範を遵守し、また、環境への負荷に配慮した調達を行うとともに、原産国や製造委託先の開示を行うことで、安心・安全で責任あるサプライチェーン体制を構築します。
E.多様な人材の育成と活躍
15 会社の成長を支える人材の確保と、従業員の成長を促す人事制度の整備 人材を重要な経営資源であると捉え、その成長を促進する評価制度や教育制度を整備することで、会社の持続的成長を追求します。
16 人権尊重と女性活躍・ダイバーシティの推進 多様な考え方を許容する企業文化を醸成することで、すべての人材がそれぞれの価値を発揮し、それを認め合う環境づくりに取り組みます。
17 従業員の健康と働きがいを増進する職場環境の確立 従業員が安全に、健康な状態でやりがいをもって働くことができる環境を柔軟に整備します。
F.社会的責任を果たすガバナンス強化
18 難病や障害などの医療福祉領域への支援 医療従事者の応援や非営利団体への協力など、医療に従事する会社としての支援活動を行います。
19 コーポレート・ガバナンスの持続的な強化と透明性の高い情報開示 持続的な成長と企業価値の向上のため、コーポレート・ガバナンスを継続的に強化するとともに、広報・開示活動を積極的に行います。
20 コンプライアンスの持続的な強化と腐敗防止 企業としての社会的責任を果たすため、社内体制の整備や従業員教育などを行うことで、腐敗防止の徹底とコンプライアンスの強化に継続して取り組みます。
21 リスクの適正な評価と対応による機会創出 想定されるリスクをコントロールし、機会を成長への原動力として捉えることで、確実な事業継続と成長を実現します。
各マテリアリティの取り組み・KPIはこちらからご覧いただけます。
取り組み・KPI

日本調剤グループ マテリアリティ

日本調剤グループマテリアリティ一覧

※当グループの重要課題表は、笹谷秀光氏の監修によるESG/SDGsマトリクスの手法によって整理されています。

PDFはこちらからご覧ください。


有識者による重要課題への第三者意見

  • 笹谷 秀光 氏 CSR/SDGsコンサルタント


    千葉商科大学 基盤教育機構 教授、特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム理事、日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事。日経BPコンサルティング・提携コンサルタント。
    東京大学法学部卒業。1977年農林省(現農林水産省)入省。環境省大臣官房審議官、農林水産省大臣官房審議官、関東森林管理局長などを経て、2008年退官。同年株式会社伊藤園入社。2019年まで取締役・常務執行役員などの立場で同社のCSR/SDGs推進を担当。2020年4月より千葉商科大学基盤教育機構教授。博士(政策研究)。ESG/SDGsマトリックス(笹谷マトリックス)の作成支援をはじめ、多くの企業のESG/SDGs経営の支援に携わる。主な著書「Q&A SDGs経営」(日本経済新聞出版)

 狙うべきポイントを押さえたマテリアリティをまとめられたと思います。SDGsマトリックスを、17ゴールすべてを見せる形で表現されているのも、丁寧に議論を重ねてまとめた過程が伝わり、よろしいと思います。投資家からの評価も上がりやすくなるでしょう。

 マテリアリティの優先度を2軸のマップに表現すると、どうしても右上に集中してしまいますが、ここはもう少し分散させて、貴社らしい特徴づけを行うとよいと感じました。

 いま一度確認しておきたいのが、社会全体の関心が高く、貴社でも取り組みが必須の最新課題が、いくつかあります。一つは「カーボンニュートラル」、もう一つが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」です。特にカーボンニュートラルは全員で取り組むマスト事項。プライム市場に残る企業としては避けて通れません。実際のCO2排出量の多少にかかわらず、きちんと計算しておき、段階的にでも開示していく必要があります。いわゆる製造業ではない業種では、それほど重要度は高くないとも考えられがちですが、この対応をしっかり行わないといけません。この機会に、廃棄物についても対応を考えておくといいと思います。

 DXについては、業界内では先駆的に取り組んでいる強みの部分ということなので、徹底的に進めていけばいいと思います。マップでも右上に位置付けてありますが、他社との大きな差異化ポイントになりますので、しっかり打ち出してください。

 本業に直結しているSDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」に関わる部分では、「健康で豊かな生活を支える」「医療費削減の一翼を担う」という両面での貢献について、徹底的に訴求できると思います。ゴール3に加えゴール9の技術革新を組み合わせ、11の「住み続けられるまちづくりを」に貢献するというストーリーを描くのもいいと思います。「街に日本調剤があってよかったな」ということです。

 また昨今の状況では、新型コロナウイルス感染拡大への対応は社会の関心の高い重要課題です。ワクチン接種会場への医師の紹介や薬剤師の協力などの地域課題に、今後もしっかり対応することが貴社の役割の一つです。

 健康・命に直結する事業を担う企業として、法令遵守・GMPの強化・リスク管理に関する事柄についても、明確に言及したマテリアリティが必要です。そしてもう1点、重要なのが女性活躍です。従業員に占める女性の割合が大きい企業として、具体的な女性活躍への取り組みをマテリアリティを通して情報発信したいところです。

 マテリアリティを特定したら、次に行うべきことは、それぞれのマテリアリティを部署・社員に紐づけることです。各部署での取り組みを推進することは、モチベーションアップの手段としても非常に有効です。169のターゲットレベルでSDGとマテリアリティを紐づけ、自分の仕事の中に「本業として」SDGsを取り入れると、社員が生き生きします。特に最近はSDGsが教育に組み込まれていることもあって若者に響きやすく、アイデアが出てくるようになります。

 以上のことをお伝えした後、貴社内でさらにマテリアリティの優先度を整理し、文言のブラッシュアップなども実施されたのを確認しました。より特徴が明確になり、ステークホルダーにも伝わりやすいものになったと思います。

 SDGsは本業を通じてチャンスとリスク管理の両面で、経営に生かすものです。マテリアリティを整理して開示するとは「経営の重要事項を見える化する」ことであり、ステークホルダーの信頼を得て、社員に浸透させるために有効です。SDGsを活用して、時価総額を上げ、企業価値を高めることにつなげていただきたいと思います。

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