SDGsとの関わり

 2015年9月の国連サミット において「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」 が採択されました。アジェンダで掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2030年を達成期限として、あらゆる国と地域が貧困や不平等、教育、環境などに関する17のゴールと169のターゲット達成を目指すものです。


 日本調剤グループは、創業以来、医薬分業の実現に向けて医師と薬剤師が、専門性に基づく明確な役割分担と強固なチームワークをもって、安全で質の高い医療サービスを提供し、また、患者さまの経済的な負担軽減を含む医療費の増加抑制を遂行することが、担うべき社会的責任と捉え邁進してきました。同時に当社グループは、事業展開を医薬品の製造販売や医療従事者の派遣紹介、情報提供・コンサルティングまで広げ、調剤薬局事業を中核として幅広く医療に貢献する会社として成長を遂げています。またあらゆる事業活動において、人権や環境に配慮した取り組みをサプライチェーン全体にわたって展開しています。


 当社グループの事業活動は、SDGsの掲げる17のゴールに広くかかわり、なかでも親和性が高いのが、次に挙げる4つのゴールです。事業活動を通して社会の発展に寄与するとともに、適切な情報開示と継続的な評価を行い、SDGsへの貢献を目指してまいります。

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

 日本調剤グループは、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業、情報提供・コンサルティング事業という当社グループの本業の推進と持続的成長の実現こそが、SDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」の達成に寄与するものと考えています。


 高度医療や地域医療への対応、未病・予防など健康をサポートする拠点の拡充といった「薬局機能」の強化・拡張をはじめ、地域の医療・福祉インフラとして質の高い医療サービスを全国どこでも受けられる店舗展開、ジェネリック医薬品の利用促進や医療ビッグデータの利活用を通じ、医療費の増加抑制に寄与するなど、医療のクオリティとアクセシビリティを高めるための取り組みを推進しています。

 加えて、医療現場のニーズに合わせた高品質で安全性の高い「ジェネリック医薬品」を研究開発し、GMPを遵守した管理体制のもとで製造、安定供給に向けた体制を整え、さらに医療人材の派遣・紹介では、地域の医療人材の偏在を解消し、地域で医療が滞りなく提供できる体制づくりに寄与しています。


 また、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、世界中に大きな影響を与えました。SDGsのターゲット3.3には「感染症」への対処が明記されています。パンデミックによる危機への対応は当社グループにとっても責務であり、ワクチン接種会場における当社薬剤師の接種協力や、医師や看護師などの医療従事者紹介なども行っています。


 ターゲット3.8にある「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」の達成に向け、当社グループのあらゆる事業において、すべての人の健康と福祉へのアプローチに取り組んでまいります。



<関連情報>

良質な医療サービスを提供する調剤薬局の展開

健康づくりをサポートする健康チェックステーション

ジェネリック医薬品の製造販売

医療従事者の派遣・紹介

医療ビッグデータの利活用


質の高い教育をみんなに

すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

 日本においては、2025年には団塊の世代の多くが75歳以上となり、超高齢社会に突入します。医療制度への大きな負担が見込まれ、かかりつけ薬剤師・薬局の拡大をはじめ、在宅医療やオンライン服薬指導が求められるなど、薬局を取り巻く環境は大きく変わります。


 地域医療機関との連携はもちろん、専門医療機関との連携による高度医療への対応、患者さまへの良質な医療サービスと医療安全の確保が望まれる中、当社グループの事業の中心となる人材である薬剤師に期待される役割は高度化・多様化しています。

 SDGsのターゲット4.3に「質の高い技術教育・職業教育」、4.4に「技術的・職業的スキル」が言及されているように、良質な医療サービスの提供には、スキルの高い人材が欠かせません。そのため、15段階にわたる当社独自の教育カリキュラムの提供や外部認定資格の取得支援、新卒薬剤師へのマンツーマン指導など質の高い教育環境の整備に注力しています。また、医療発展に貢献する調査・研究発表や、医療従事者派遣・紹介事業における求職者への当社教育カリキュラムの提供など、業界全体の教育水準の向上に努めています。


 薬剤師以外の従業員に対しても同様に、人材を重要な経営資源であると捉え、従業員の成長を促す評価制度や教育制度を整備し、会社の持続的成長を追求していきます。



<関連情報>

医療人としての質の高い教育環境

地域の医療機関などと連携する「地域連携薬局」

専門的な薬学管理を提供する「専門医療機関連携薬局」

患者さまの在宅療養を支える在宅医療


働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
メンター面談を行う女性

 日本においても働き方改革の推進が叫ばれ、SDGsのゴール8「働きがいも経済成長も」の重要性はますます高まっています。ターゲット8.5には「生産的な雇用」と「働きがいのある人間らしい仕事」が、8.8には「全ての労働者の権利」と「安全・安心な労働環境」が掲げられています。


 中長期的な企業価値の向上を考える上で、人材を資本として捉える「人的資本」は欠かすことのできない観点です。会社の成長を支える人材確保に努め、障がい者、高齢者の別なく、すべての人材がそれぞれの価値を発揮し、活躍できる環境づくりを進めます。従業員の7割以上を女性が占める当社グループにとっては女性の活躍推進も重要事項であり、育児短時間勤務制度など仕事と家庭の両立を支援する各種制度・施策を整備しています。この他、適材適所へ医療従事者を派遣・紹介し、雇用機会の創出にも取り組み続けます。

 当社グループにおいては、従業員を対象にサーベイを実施し、エンゲージメントの現状把握と向上のための施策検討を行っています。働き方改革に加え、具体的なKPIを定めた健康経営を推進し、残業時間の低減や有給休暇取得の促進、テレワークの推奨による感染症予防と多様な働き方の提供、福利厚生制度の充実など、従業員の安全と健康の増進とともに、やりがいをもって働くことができる職場環境を整備していきます。


 また、産業医業務提供事業を全国展開し、メンタルヘルスを含む健康管理を中心とした労働衛生管理を支援することで、企業の健康的な働き方を支えます。



<関連情報>

当社グループの人材マネジメント

健康経営宣言とその取り組み


産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
電子お薬手帳「お薬手帳プラス」

 日本調剤グループは創業以来、積極的にICT技術を取り入れてきました。2000年代初頭より行ってきた調剤システムの自社開発をはじめ、お薬手帳の電子化、調剤業務の機械化を推し進めるなど、業界に先駆けた取り組みがあり、当社グループの強みは質の高い人材と医療版DXの融合による既存サービスの進化と新たな医療サービスの創出です。


 SDGsのターゲット9.1に、「持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ」の重要性が書かれています。当社グループが開発した調剤システムは、オンライン環境に対応し、厳重なセキュリティ体制を敷いた独自のインフラとして構築されたものです。2014年から運用中の電子お薬手帳「お薬手帳プラス」は、患者さまの健康管理と時間の有効活用をサポートしています。2020年9月からは「日本調剤 オンライン薬局サービス」の運用を開始し、服薬指導から薬の配送までシームレスに受けられるようになりました。医療を受けるプロセスのオンライン化推進により、患者さまへのスマート医療の提供が可能です。

 当社グループは今後も医療のデジタルトランスフォーメーションを推進します。医薬品情報プラットフォームFINDATによる医薬品適正使用の効率化・高度化、デジタルツール導入による多店舗オペレーション改革やオンライン医療の推進など、デジタルを活用した新たな顧客体験の創出と新規ビジネスの創出に取り組んでいきます。


 これらはゴール8のターゲット8.2「多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性」にも寄与すると考えています。



<関連情報>

当社グループのDX戦略

ICTを活用した医療サービスの提供

当社グループ独自の電子お薬手帳

高度医薬品情報プラットフォーム FINDAT

企業情報トップ サステナビリティ SDGsとの関わり