もっと患者さまに寄り添いたくて選んだ、「在宅医療」の道。

以前は病院勤務の薬剤師でした。でも、そこでは患者さまを身近に感じる機会が少なくて。「もっと患者さまに寄り添える働き方はないか」と考えた結果、在宅医療に辿り着いたんです。その予感はやはり的中し、患者さまとの距離感はかなり密接になりましたね。この仕事で出会う人は本当にさまざま。生まれつき難病を抱えるお子さま、末期ガンを抱えながらも自宅で治療に専念する方、長くお一人で暮らしている高齢者の方、そして、そのご家族のみなさま……仕事を通じて出会ったすべての方は、私にとってかけがえのない存在です。仕事では、“生きるため”に必要な薬をお渡しすることもあれば、“最期を穏やかに過ごしていただくため”に薬をお渡しすることもあります。病院勤務を続けていれば、今ほど患者さまの“生”に触れる機会は訪れなかったかもしれません。一人ひとりの命に深く関わる分、患者さまやご家族との関係も自然と深まっていくんです。

「あなたが来ると安心するの」患者さまの“特別な存在”になれた瞬間。

患者さまのご自宅に伺うと、それまでの人生が伝わってくるようなお写真を拝見できたり、置いてあるものからその方の趣味や好きなものがわかったりと、患者さまの“日常生活”や“人生そのもの”がとても伝わってくるんです。そして、何度も訪問して会話を重ねるうちに、「患者さまと薬剤師」というよりも、「人と人」としてお付き合いができるようになってきます。私のことを下の名前で呼んでくださったり、「あなたが来ると安心するの」と言っていただけるなど、お薬と一緒に“私自身”を待ってくださっている方も多く、そのことを実感するたびに「この道を選んで良かった」と感じますね。また、日本調剤は無菌調剤室などの設備が充実しているので、高度な処方にも対応できます。入院生活を余儀なくされていた方が自宅で過ごせるようになったり、通院が困難な症状の方にご自宅までお薬を届けられたりと、在宅医療に広く貢献できる分、やりがいも大きくなるんだと思います。

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