週刊!薬剤師ブログ

小児在宅と向き合う薬剤師2023.12.05

0歳のときから1年以上。これからもずっと、成長を見守っていけたら。

日本調剤が取り組みを強化している分野の一つ「小児在宅」。

全国には約2万人の医療的ケア児がいると推定されています。「医療的ケア児」とは、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことです(引用:厚生労働省資料より)。
日本調剤では、年間約7700件の小児在宅を受け入れるほか、無菌調剤室を各地に配備し、一人でも多くの方に小児在宅の支援が行き届くよう、取り組みを拡充しています。今回は、そんな小児在宅に関わる一人、新卒入社5年目のOさんにインタビューです。

profile
2019年新卒入社 Oさん(入社5年目)


Profile 新卒入社時から現在まで、総合病院の門前薬局に勤務。現在は店舗責任者として店舗運営に携わるほか、本年開催された社内学術大会にて自身の小児在宅への取り組みを発表し、オーディエンス賞を受賞。現在は1歳と3歳の小児在宅の患者さまを担当。

0歳のときから1年以上。
ずっと成長を見届けながら。

総合病院の門前薬局として幅広い疾患の患者さまに対応する一方、2021年7月に無菌調剤室ができてからは、小児在宅にも注力するようになりました。現在私は1歳と3歳の患者さまを担当しています。どちらも指定難病のご病気で、中心静脈栄養を必要とする患者さまです。手術やNICUでの長期入院を乗り越えて、現在はご自宅で医療的ケアを行いながら生活されています。現在1歳になる患者さまとは、退院時共同指導の際からずっと、もう1年以上担当させていただいています。0歳から1歳の成長ぶりは本当にすごいです。帰るときには、“バイバイ”と手を振ってくれるようにもなったんですよ。「大きくなったねえ」と、いつも感慨深く成長を見守らせていただいています。

ご家族の“心のケア”も大切に。

小児在宅に関わるようになってから、何よりもご家族の方々、特に日中ずっとご一緒にいらっしゃるお母さまへの配慮がとても大切だと感じるようになりました。さきほどお話した1歳の患者さまのお母さまは初めてのご出産で、ご心配もとても大きかったと思います。お会いしたばかりの1年前は、私もわからないこともたくさんありましたが、安心して治療にのぞんでいただけるように、必死でいろんな勉強をしました。在宅医療部の方や先輩方など周囲にサポートをいただきながら、お電話は毎週、また2週間に一度はご訪問させていただいて、「疲れていないですか?悩みをため込んだりしていませんか?」と、お子さまの状態と併せて、ご家族の心のケアも心がけています。

普段はお母さまが、点滴を入れるなどのケアを日常的にされています。手技は病院で学んでいらっしゃいますが、実際に器具を扱うなかで生じた疑問や、「主治医の先生が飲み薬を出してくれているんだけど、これは何のお薬かしら?」といった質問に対して、「この状態ならこんな意図だと思います」と医師の説明の補足を行ったりしています。質問をいただいてその場で答えられなかったときは申し訳ない気持ちにもなりますが、「全然!たくさん質問させていただいてありがとう」と言ってくださって……。心を開いて信頼していただいているからこそ、きちんと応えたくて。今も勉強の毎日です。

今年の夏からは、同じご病気をもつ3歳の患者さまも担当させていただくことになりました。ご家族に初めてお会いした時にお母さまから、「挨拶の電話をしてくれた時からとても安心感のある話し方で、疾患についても理解がある方だなと思い、とても安心しました」とおっしゃっていただけたときは、がむしゃらにでも全力で取り組んでよかったと、とても嬉しく思いました。お子さまは、いつもツインテールにしていて、髪もくるくるカールしていて、とっても可愛いんですよ。「お姉ちゃん!」と言って嬉しそうにしてくれて、訪問するたびにとても癒されます。

患者さまを知ることが、心を開くことにつながる。
ご病気と向き合う、心の支えの一助になれたら。

小児在宅に限らずですが、心を開いてもらうためには、患者さま自身を知ることもとても大切だと思っています。それは病気や薬に限ったことではなく、お持物を見て「お孫さんですか?」とか「今日は暑いですねえ」とか、本当にちょっとしたこと。それを一言、こちらからお声かけするように意識していたら、「実は今日血圧がねえ……」のように、会話のなかでぽろっと相談していただけたりするんです。また、今までは違う薬局を利用していた患者さまから、「日本調剤に変えてから、気持ちの問題かもしれないけど、体調も安定しているし血液検査の結果もいいんだよ」とお話をいただいたこともありました。ご病気と向き合う上で、少しでも心の支えの一助になれていたら、それはとても嬉しいことですよね。

いろんな人に支えられてきたから。
今度は私が、たくさんの人の支えになりたい。

今回のインタビューを受けて改めて、本当にたくさんの方に支えられて仕事をしていることを実感しました。無菌調製の細かな手技も丁寧に教えてくださる在宅医療部の方々をはじめ、様々な店舗での経験を踏まえてアドバイスをくれる先輩方や、全国で頑張っている同期の存在。そしていつも患者さまからの言葉や笑顔に支えられています。私ももっと疾患に対する知識をつけて、より多くの人の支えになれる薬剤師になりたいです。これから学生から社会人になるみなさんも、新しい世界に踏み出す不安もあると思います。でも、一歩踏み出すことで目の前の景色は広がり、豊かなものになると思います。いろんな人に出会うことで学べることもたくさんあると思います。体調には気を付けて、無理はせずに!これからのみなさんの活躍を楽しみにしています。

~編集後記~
明るい笑顔のなかで、相手を思いやる気持ちがとても印象的なOさん。
別の店舗に異動した後輩から「Oさんがいるだけで店舗が明るかった」と手紙をもらったことも、嬉しそうに話してくれました。その手紙は、今でもロッカーに貼っているんだとか!
店舗責任者として明るい店舗づくりをすることも、今後の目標と語ってくれました。

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