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新人配属1か月レポ

大学病院前で学ぶ。マンツーマン指導の安心感

約1か月の新人集合研修を終えた新人たちは、5月に入り、それぞれの店舗に配属されました。いよいよ白衣に身をつつみ、薬局の門をたたく配属初日を、新人たちはどんな気持ちで迎えたのでしょうか。5月末日、新人配属後1か月を迎える頃に、東京都の大学病院前に配属された新人の岸川さんの様子をのぞいてきました!


【新人プロフィール】
岸川 晃子(きしかわ あきこ)
静岡県立大学卒業/佐賀県出身

■入社理由
新人集合研修をはじめとする充実した研修制度や、配属後も勉強できる環境が整っていること。また、全都道府県展開のため、自分の働きたい地域を選べることも決め手の一つ。将来的には地元の佐賀に戻ることも視野にいれつつ、学生時代の友人が多い東京を勤務地に選んだ。

■配属地:大学病院前(東京都)
900床以上の病床数を持ち、幅広い診療科を有する大学病院の処方せんを主に応需。がんや膠原病、また新薬を扱う機会も多く、高度薬学管理を担う薬局として地域に貢献している。

初出社への緊張を、“あるモノ”が和らげてくれました。
1か月の新人集合研修を終え、店舗に配属された新人には、その後1年間「オーベン・ネーベン制」というマンツーマン指導がつきます(ドイツ語でオーベンは先輩、ネーベンは後輩)。新人の岸川さんのオーベンは、2年目になる1つ上の先輩の浅見さん。岸川さんと同じく、新人でこの薬局に配属されました。


【左から、オーベンの浅見さん、新人の岸川さん】

「私はすごく緊張しいで」という岸川さんですが、店舗への初出社の緊張を和らげてくれた“あるモノ”があったそう。見せてくれたのは、新人集合研修最終日にもらったという、オーベンからの“直筆メッセージカード”でした。

「これをもらった時、オーベンになる先輩の入社年が書いてあって、“1つ上の先輩が教えてくれる”というのは安心感がありました。あと、“みんな楽しみに待っています”と書いてあって、嬉しかったのをよく覚えています」

この“オーベンからのメッセージカード”は、配属店舗に出社する新人たちが少しでも安心できるように、という配慮から今年から始めた新たな取り組みです。

それでも、「初日はガチガチだったよ」と先輩の浅見さんは明るく笑いながら、初めての後輩を迎えたときを楽しそうに思い出していました。

細やかなフォローは、店舗でも。

「新人集合研修では、あんなにたくさん新人がいて“一人ひとりちゃんと見てもらえるのかな”と少し不安もありました。でも、人数を絞ってグループ単位で講義をしてもらえたので、講師の方に質問もしやすいし、自分のことをしっかり見てもらえたのがすごく良かったです」と話す岸川さん。


【新人集合研修で一番印象に残ったと話す「CS(患者さま満足)ロールプレイ」での1枚。“医療人として”患者さまにご満足いただくための接遇の練習を何度も繰り返したことが、現場でさっそく活かせているそうです。】

研修中の“細やかなフォロー”は、店舗配属後も感じている様子。

「1日の流れとしては、午前中は患者さまが多く来局されるので、調剤がメイン。錠剤、散剤、水剤、軟膏、一包化と、少しずつ始めました。午後はよく扱う疾患の勉強や服薬指導の練習。練習はオーベンが見てくれます。学ぶ時間がちゃんとあって、そのために先輩も時間をつくって教えてくれるのは、ありがたいです」


【岸川さん愛用の勉強用ファイルは、オーベンの浅見さんがくれたもの。その日覚えたことや勉強資材をまとめています】

ただ“薬をとる”のではない。患者さまや病態を想像して。

オーベンがしっかりと新人のことを見てくれているのは、こんなエピソードからも伺えました。

「最初は、調剤もひたすら“とるだけ”で。それだけに必死で、すぐに調剤ワークシート(※)を見てしまっていたんです(※調剤ワークシート:処方内容や変更薬剤情報等が記載された、日本調剤オリジナルの資料)。でも、それもオーベンの浅見さんは見てらっしゃって。『それだと覚えるのが遅くなるから、ちゃんと処方せんを見て』とか、『ただ調剤をするんじゃなくて、これはどういう薬で、患者さまはどういう疾患をもっていらっしゃるのか、“考える”んだよ』と言われて。最初はひたすらやっていたけど、そこで意識が変わりました」

自分が経験したからこそ、できること。

岸川さんからのエピソードを伝えると、オーベンの浅見さんは。

「調剤のことだけを考えて調剤していると、いざ服薬指導をしようと患者さまの前に立つと、とたんに不安になってしまうんです。それは私自身がそうでした。だから岸川さんには、今のうちから、調剤をしながら、調剤・鑑査・服薬指導・薬歴記載の一連の流れを意識しながら取り組むように伝えています。なので、今からなるべく先輩の服薬指導も見学してもらうようにしています」

浅見さんも1年前は新人。だけど、だからこそわかってあげられることもたくさんあります。教える人ができたことで、浅見さん自身の成長にもなっているようです。


【いつも一生懸命で真面目に取り組む新人に、先輩の浅見さんは。「まだ上手くいかないこともあって焦りもあると思うけれど……失敗をしたとしても、そのリカバリー方法を学んで、今はたくさんチャレンジしてほしい。明るい性格なので、その良さを引き出して、店舗のムードメーカーとしてたててあげたいな、と思います」】

支えてくれるのは、同期の存在。

「まだ調剤にも時間がかかって、無力感に落ち込むことも多いです」と岸川さん。

そんな時、支えになるのは、新人集合研修で絆が深まった同期たち。同期とは毎日連絡をとりあい、近況報告。仕事終わりや休日に、週1で会うほど仲良しなんだそうです。

「同期は、励まし合える大切な存在。みんなも頑張っているんだと思うと、とても心強いです」


【「今までテレビでしか見ていなかったご飯屋さんやネットでしか買えなかった洋服屋さんがたくさんあって、誘惑が多いです……!」と、社会人らしい生活も楽しんでいる様子。6月7月も同期と旅行に行く計画があるそうです】

知識と親しみやすさをもった、薬剤師になりたい。

薬局に配属されてから約1か月。改めて意気込みを聞いてみました。

「国試勉強で新薬として勉強した薬もたくさん扱えて、こんなに最先端の知識を学べるんだ!と最初は驚きました。すごく勉強できる環境だと感じています。まだまだ力不足も感じますが、この環境を活かして、しっかりと薬学知識を身に着けていきたいです。私の目標は、知識と親しみやすさ、両方をもった薬剤師になること。患者さまの信頼に応えられる薬剤師になっていきたいです」

一生懸命、ひたむきに頑張る新人と、それを支える周りのスタッフたち。「来年には私の代わりが務まるくらいに大きく成長してほしいね!」と話すオーベンの浅見さん。これからの新人の成長が、とても楽しみになりました!


【「とっても雰囲気の良い薬局ですよ。新人さんも本当に頑張ってくれているので、ぜひいらしてくださいね」取材をお願いした時、そう嬉しそうに話してくれた管理薬剤師の柴田さん。その言葉通り、店舗みんなであたたかく新人を迎えているのが、取材を通して伝わってきました(左から、管理薬剤師の柴田さん、新人の岸川さん、オーベンの浅見さん)】

■Next 最先端の病薬連携を学ぶ新人を特集!
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