4月2日の入社式を皮切りに始まった、約1か月の新人集合研修。現在、研修の真っ最中の新人たちの日々を最速レポート！その充実の内容を4週にわたってご紹介します。服薬指導演習や調剤過誤防止など、各学習項目の基礎編がスタートした第2週目。新人たちは、多くの“気づき”を得たようです。

“脱OSCE” 目の前の患者さまと、向き合う。

外来患者さまの場合、入院患者さまとは異なり、ご自宅ではサポートしてくれる医療関係者はいません。つまり、患者さまが正しく安心して服用できるかどうかは、私たち薬剤師がいかにその患者さまに合った効果的な服薬指導を行えるかにかかってきます。

「現場での服薬指導は、OSCEではない」という講師の言葉に、新人たちは耳を傾けます。ただ単に質問をして回答を得るだけの一方的な指導では、患者さまの本当の訴えや背景は分かりません。だからこそ薬局薬剤師には、高いコミュニケーションスキルが求められるのです。

【研修で最も力を入れて取り組む「服薬指導」演習。患者さま役から出される様々な“サイン”を素早くキャッチし、効果的な服薬指導につなげるロールプレイを繰り返します。】

小さな心がけが生む、大きな変化。
「CS」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。CS とは、「customer satisfaction」の略。つまり“患者さま満足”を意味します。お薬を安心・安全に服用いただくのはもちろん、患者さまに気持ちよくご利用いただき、相談しやすいコミュニケーションスキルを身に着けるために。「CSロールプレイ」のプログラムで行う接遇スキルも、新人が習得すべき重要な学習項目の1つです。

【「日本調剤の薬剤師さんに、綺麗なお辞儀で見送ってもらって気持ちよかった」そんな患者さまの声も頂きました。シチュエーションによって、お辞儀にも様々な種類が。教育情報部CS専任担当のお手本を見て、実践してみます。】

【「出来ている、と思っていたことも意外と全然出来ていなかった。でも現場に出る前で良かったです」と新人たち。立ち上がり方・歩き方・お辞儀の仕方・物の受け取り方…細かい部分に気を付けながら、何度も練習します。】

満足度には、個人差があります。同じ状況・同じサービスでも、人によって感じ方は異なります。満足・不満足を決めるのは、あくまでも患者さま。自分の物差しでそれを図ってはいけません。その時の状況や患者さまのお気持ちを素早く察して、その時々に適切な対応をする。一つひとつの気配り・心配りが、患者さまへの印象を大きく変えていきます。

【本番を意識できるよう、小道具にもこだわりが！小さなお子様をお連れの方や、杖をついたご年配の方…様々なシチュエーションでロールプレイを行います。】

薬剤師としての先輩でもあるCS担当講師は「ホスピタリティの心は、誰でも持っているもの。それをどう表現や行動に移したら良いのかが、分からないだけなんです。だから、その気持ちを表現するための接遇スキルをしっかり身に着けてほしい。現場に出て、新人たちに悲しい思いはしてほしくないですしね」その想いに応えるように、新人たちの普段の言葉使いやマナーにも、着実に変化が表れているようでした。

医療人へ。プロとしての責任をもつ。

「自分が、過誤を起こした薬剤師だったら。被害を受けた患者さまやご家族だったらと、考えてみてください」

調剤過誤防止プログラムで、研修講師が新人たちに語りかけました。1つの調剤過誤が引き起こしてしまう影響の怖さ、そして過誤防止のためにどう行動するべきなのか。新人たちは、真剣な表情で考え、ディスカッションで意見を出し合っていました。「過誤を起こさない薬剤師になってほしい。そのために、自ら考え、努力ができる医療人であってほしい。みんなと同じ薬剤師として、そう思います」と研修講師は言います。

薬のプロとして現場に出るにあたり、この1か月の研修をどう過ごすべきか。“信頼”に応える医療人であるために、改めて気持ちが引き締まった様子でした。

【「みんなの前で自分の意見を言う」ことへの主体性も出てきました。何かを教えてもらうだけではなく、自ら考え発信する。1週目と比べ、少しずつ顔つきも変わってきたようです。】

Memorial photo

移動のバスの中。あちこちから聞こえる声が…「恐れ入りますが、ご伝言をお願いできませんでしょうか」「よろしければ、ご用件を承ります」新人たち、その日の復習や次回への予習を合間のバス内でも繰り返していました。ロールプレイは数をこなすことが肝心！自分ひとりではなく、となりで一緒に頑張ってくれる同期がいるから、みんなで成長できる。これも素敵な“気づき”になった1枚です。

■Next
新人研修レポ3「実践！スキルを磨く、挑戦の第3週目」
https://www.nicho.co.jp/shinsotsu/cat3/freshman-training3

■Back number
新人研修レポ1「全国の同期と共に！ドキドキの第1週目」
https://www.nicho.co.jp/shinsotsu/cat3/freshman-training1